日常の生活習慣を適切に整えることが、 糖尿病 予防 の基本です。特に体重を減らして肥満を解消することが一番重要です。まずは自分のBMI(肥満指数)と標準体重を計算しましょう。そして食事療法と運動療法を行って体重を減らしましょう。
糖尿病の予防
肥満の解消
肥満の解消は糖尿病の予防にとても効果的です。肥満はBMIという肥満指数が25kg/m2以上の状態と定義されます。
BMIは[体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)]で計算できます。糖尿病の予防には、BMI20~24に相当する体重を目標にするとよいでしょう。ちなみにBMI22に相当する体重は標準体重と呼ばれています。
例えば、身長160cmで体重が80kgの人のBMIは、80÷1.6÷1.6=31.25。したがって、この人は肥満と判定されます。
一方で1.6×1.6×22=56.32ですから、標準体重は約56kgです。日本人の場合、まず3kg体重を減らすだけでも、血糖値は大きく改善します。
いきなり目標体重や標準体重まで減らす必要はありません。500gでも1kgでもよいので、少しずつゆっくりと減量することが大切です。
体重計に乗る習慣がない人は、毎日乗るだけでも効果があります。食事療法と運動療法を組み合わせて行うのが減量の基本です。肥満でない人にも、適切な食事療法や運動療法は糖尿病の予防に効果があります。
食事療法
食事療法の基本は1日3度の食事を栄養のバランスよく食べることですが、実際に続けるコツはなるべくシンプルなルールにすることです。
シンプルという点から、間食をしない、食事は野菜から食べ始める、ゆっくり食べる、の3点をこころがけるとよいでしょう。
“糖尿病によい食品、メニュー”や“~式ダイエット”といった情報が現在たくさんあります。どれが正しくて、どれが間違っているというのは一概には言えません。たとえば、Aさんには効果があるけれど、Bさんには逆効果、ということもありえます。ただし、一般的に“糖尿病によい食品、メニュー”や“~式ダイエット”は長続きしないことが多いようです。
間食をしない
3度の食事にどれだけ気を配っても、間食をすると血糖が上がります。ケーキやチョコレートなどの洋菓子に気をつける人は多いのですが、せんべいやおかき、さらには果物(果糖という糖が含まれています)でも血糖は上がりますので注意が必要です。
特に一人だけのときの間食を避けましょう。たとえば、友達とお茶をするときやデイサービスでのおやつはがまんしない。しかし一人で夜テレビを見ながらダラダラとスナック菓子を食べる、冬場にこたつでおかきを食べる、といったことをやめるとよいでしょう。
食事は野菜から食べる
カロリーを摂取すると、血糖値が上がり、それをもとの血糖値にもどそうとして、インスリンが分泌されます。この血糖上昇の速度をゆるやかにすることが、糖尿病の予防に重要であることがわかっています。
野菜に含まれる食物線維は腸からのカロリー吸収を遅くする作用があり、その結果血糖増加をゆっくりにしてくれます。食事の際には、まずサラダなどの野菜から箸をつける癖をつけるとよいでしょう。
ゆっくり時間をかけて食べる
これも血糖の上昇をゆっくりさせるためです。特に男性や一人で食事を食べる人は早食いの方が多いので、要注意です。おすすめは1回食物を口に運ぶたびにいったん箸を置き、口がからっぽになってから、再び箸を持つようにすることです。
最初は面倒ですが、慣れると自然にできるようになります。チャーハンをスプーンで、味噌汁を箸で、といったように箸、スプーン、フォークを使い分ける必要がある食事メニューにすることでも、同様の効果があります。
運動療法
運動してエネルギーを消費すると血糖値が下がります。また、インスリンの効きもよくなります。さらに、血行がよくなる、ストレス解消になる、生活の活動度が高まり寝たきりの予防になる、といったメリットもあります。
運動の種類は、日常でできるものであればどんなものでもよいのですが、なるべく全身を動かすものがよいでしょう。ただし足が不自由な方は上半身の運動だけでもかまいません。
運動療法を始めるときの注意点が2つあります。1つ目は、始める前にメディカルチェックが必要な人がいることです。高度の肥満者や、膝や股関節が悪い人、心臓や肺に持病がある人などは、運動制限が必要になる場合があります。事前にかかりつけの先生と相談しましょう。
また、それまでにあまり運動をしていない人は、いきなり強い運動を始めると筋肉や関節を傷める場合があります。軽い運動から始めてください。
2つ目は、なるべく毎日続けるという点です。週末だけに頑張るよりも、できるだけ毎日体を動かしましょう。手軽にできるウォーキングなどがお勧めです。
まとめ
糖尿病の予防
肥満の解消
食事療法
間食をしない
食事は野菜から食べる
ゆっくり時間をかけて食べる
運動療法