坐骨神経痛 の 治療 は患者の症状により大きく異なります。痛みの状況、程度、箇所、原因などに対応し、初期段階ではソフトな治療から始め、手段がなくなれば手術を視野に入れます。
原因と症状に合った治療が重要で、医師と相談しながら進めるのがベターです。
坐骨神経痛の治療はできることから始め、手術は最終判断
いきなり手術にはならない
坐骨神経痛は坐骨神経系統の痛みであり、神経に何らかの障害があって発症することは明らかにされています。
坐骨神経痛の治療というとまず「手術」という言葉を耳にする機会が意外と多いものです。これは著名なスポーツ選手が実行し、新聞やテレビで報道される機会が多いせいでそう感じる可能性もあります。
しかし坐骨神経痛の治療というと、いきなり手術になることはまずないのです。
坐骨神経痛の治療は非常にソフトなテイク・オフから始まるのが常識です。その患者がどういう原因で坐骨神経痛という疾患になったのかを問わず、一様にその症状を軽減する、あるいは和らげていくことから開始するという点で多数の医療機関が同じ考え方です。
投薬による坐骨神経痛治療
では、坐骨神経痛の治療というとどのような形態や方法になるのでしょうか。そのあたりを解説したいと考えています。
坐骨神経痛の治療はかなり多岐にわたります。ここではいくつかの治療法について触れていきます。
まずは、投薬です。ほとんどは痛み止めの服用があります。それだけ坐骨神経痛には強い痛みが伴うという証左でもあります。
比較的多く用いられる薬には非ステロイド性の抗炎症薬があります。医療機関でエヌセイド(NSAIDs)といえばこの薬を指します。坐骨神経痛の痛み止めには大きな効果を発揮します。
ただし、腰部脊柱管狭窄症に対する効果はいまだに明確ではなく、その点の医薬品としての認可はまだ下りていないようです。
その他にはアセトアミノフェンがあります。前述のエヌセイドに比べると、胃腸その他への副作用は少ないかわりに効果は若干劣ります。
また、経口プロスタグランジンEも比較的使用頻度の高い薬です。腰部脊柱管狭窄症の患者さんに対し使われる薬です。治療開始8週間の短期間での効果は研究結果で認められています。
その他、オピオイドのように強い鎮痛効果のある薬もありますが、嘔吐や便秘など、さらには薬物依存などの副作用も指摘されているので投与が慎重になります。
理学療法
投薬療法と並んで町の開業医や大病院を問わず、かなり広く行われている一般的な医学療法です。具体的にあげると牽引療法、装具療法(コルセット)や低周波治療ということになります。
坐骨神経痛だけではなく、交通事故などで通院した時にも施される牽引療法は、坐骨神経痛の場合腰にベルトを巻いて足の方向へ引っ張って腰椎を伸ばす方法です。
低周波治療は患部に電気を当て温感治療して痛みの軽減を図る方法です。
そして市販品や医療機関から支給されるコルセット類も、軽症の患者に対し痛みを軽くするときの役に立ちます。
これらの坐骨神経痛治療法は腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症に対し、施術したら一気に回復するというような即効性はありませんが、患者によって症状の緩和ができたとする例も多々あります。
その他に運動療法というのもあります。しかし、現在の医学ではストレッチなどの運動単独では坐骨神経痛の回復は不十分というのが定説です。ただし、前述の理学療法との抱き合わせには一定の評価があります。
硬膜外ブロック
脊柱管の内側に腰部から針を刺し、ステロイドなどを注入して坐骨神経痛の痛みを神経からブロックします。このやり方は腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症の患者には効果的な方法として多用されています。
特に、早く痛みを抑えたいときなどは短期間で効果が現れる可能性が極めて高いとされていますが荒療治的な側面もあります。
手術
冒頭に触れた坐骨神経痛の最終的な手段には手術があります。
腰椎椎間板ヘルニアの手術は悪化している椎間板を切除してしまいます。
腰部脊柱管狭窄症の手術の方法は神経除圧術となります。局部の骨の一部を切除することで神経に対する圧迫を和らげます。
いずれも双方の病名の原因が特定された座骨神経痛の患者さんの中で、特に症状が重い方のみが選択する手段と考えてよいでしょう。
まとめ
坐骨神経痛の治療はできることから始め、手術は最終判断
いきなり手術にはならない
理学療法
硬膜外ブロック
手術