坐骨神経 は大腿部の裏側あたりから足先まで伸びる、人間の神経系統で最も大きく長い神経であるため、 原因 の特定はかなり難度の高いものとなっています。
この神経に何らかの不測な力が加わったり障害を受けると坐骨神経痛になります。これは病名ではなくひとつの 症状 です。
坐骨神経痛の原因や症状は特定しにくいもの
原因の特定困難
前記のように坐骨神経は太く長いという背景もあり、坐骨神経痛で診療を受けたからといってすぐに明確な原因が当該機関から示されるというものではありません。むしろ「原因がハッキリわからない」という回答が医師の口から伝えられ、逆に不安になるケースも珍しくないのです。
ある統計を見ると、80%~85%の患者が原因の特定ができなかったとする大病院もありました。
坐骨神経痛の患者は多いのですが、原因に至るとその人の生活ぶりが多岐にわたったり、内容、年齢が異なるため不明とされるケースが多いのはそのようなバックグラウンドによるものでしょう。
原因が判明したケースを大別すると
このように原因特定が難航する病気が坐骨神経痛です。では、原因が特定できた坐骨神経痛の内容を精査するとふたつの病気が浮かび上がってきます。
ひとつは椎間板ヘルニアです。この病気は年齢層に関係なく発症します。ヘルニアについて、ここでは詳細の説明を別項に譲るとして、ここでは概略の説明を行います。
ヘルニア(Hernia)を簡単に書くと、臓器が本来の場所から逸脱した状態といえます。ちょうどタイ焼きの餡子が外にはみ出した様子を想像するとわかりやすいかもしれません。
腰椎を例にすれば、多数並んでいる椎間板の隙間から髄核を突き破ってはみ出したときに激しい痛みや痺れを発症します。坐骨神経痛の原因として特定できた中で最も多かった原因です。
もうひとつは腰部脊柱管狭窄症(ようぶ せきちゅうかん きょうさく)です。こちらは50歳以上の男女に多く見られる坐骨神経痛の原因にひとつです。
これは腰あるいはその周辺の脊柱管が、主に加齢がもとで背骨が曲がったり、椎間板そのものが変形するなどした結果神経が圧迫され痛みが出る状態のことをいいます。
神経根(脊髄が分岐して体の各所に至る根っこのような場所)や馬尾(脊髄の枝分かれした神経の束ねられた組織)が圧迫されることで、おしりから足の先に至る下半身に強い痛みや浮腫(むく)みとか痺れをおこます。
さらに進行すると麻痺や間欠跛行という独特の痛みを発症し最悪の場合歩行障害に至ります。
坐骨神経痛にはさまざまな発症例と症状がありますが、足腰の痛みのため長距離歩行や長時間立っているなどは無理になります。
脊柱管狭窄症に特徴的な例として長距離が歩けない。途中でしゃがんだりして時間をかけ、休み休みだとまた歩けるようになるという状況があらわれます。このような歩行を医学的には間歇性破行と呼ばれています。
この原因は腰椎の4番や5番と、仙椎の1番に障害が発生したことが原因になります。また、過去には脊柱管狭窄症を発症した方のなかには、足の筋力が極端に低下したり、ひどくなると知覚障害や膀胱障害などの症例が残されています。
子供たちに多い原因と症状
坐骨神経痛発祥の原因はさまざまあって、必ずしも特定できないと説明しました。なかには腰椎分離症という症状も、坐骨神経痛を引き起こす遠因になってるケースもあります。これは比較的成長期の小・中学生クラスに多くみられる症例です。
この年代では治療を嫌がって我慢しているうちに、回復力を持つ若さゆえに多少の自然治癒が進んで痛みが軽減されると医療機関に行かなくなることがあります。
これは結果的に坐骨神経痛を悪化させて「根」を作ってしまったというケースです。この場合は中途半端な治療のため、後日の対処(治療)がはなはだ面倒になるというのが医学的な常識となっています。
まとめ
坐骨神経痛の原因や症状は特定しにくいもの
原因の特定困難
原因が判明したケースを大別すると
子供たちに多い原因と症状