呼吸器内科 は肺、上気道、気管、胸膜など呼吸に関する臓器の病気を担当する内科です。
診療する病気の種類は多彩で細菌性肺炎や肺結核、ニューモシスチス肺炎などの感染症、肺癌などの腫瘍、COPD・肺気腫などの閉塞性肺疾患、間質性肺炎などのびまん性肺疾患、膠原病肺、気胸などの胸膜疾患、拘束性肺疾患などを担当しています。
呼吸器内科が担当する病気(前編)
呼吸器内科とは
呼吸器内科は肺など呼吸に関する臓器の病気を扱う内科です。肺以外に上気道、気管、胸膜などの病気も担当します。病気の種類が多彩であることも呼吸器内科の大きな特徴です。
感染症(細菌性肺炎など)、腫瘍(肺癌など)、閉塞性肺疾患(気管支喘息やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)など)、びまん性肺疾患(間質性肺炎など)、膠原病肺(さまざまな膠原病に付随して生じる肺の合併症です。リウマチにともなう肺疾患などがあります)、胸膜疾患、拘束性肺疾患などさまざまな疾患の専門医として活躍しています。
同じ肺の病気でも、細菌性肺炎と間質性肺炎は治療法や予後がまったく異なります。
一方で症状から見ると、咳、痰、血痰(痰に血液が混じる状態)、喀血(かっけつ。気道や肺からの出血が咳とともに口から出る症状です。)、呼吸困難、胸痛などがある場合には呼吸器内科を受診するとよいかもしれません。
ただしこれらの症状の原因がすべて呼吸器内科の病気であるとはかぎりません。たとえば呼吸困難は心不全でも起こりますし、胸痛は心筋梗塞や大動脈解離でも生じます。心不全、心筋梗塞、大動脈解離はすべて循環器内科が担当する病気です(詳細は他項で説明しています)。
この項では呼吸器内科が担当している病気について概略を説明します。
感染症
病気の原因となる微生物(病原微生物)が原因となる病気です。
肺の感染症が代表的ですが、さまざまな種類があり、細菌性肺炎(いわゆる“肺炎”はほとんどの場合は細菌性肺炎に該当します)、ウイルス性肺炎(インフルエンザ肺炎など。まれですがインフルエンザにかかった後に肺炎を生じるケースがあります)、さらに肺結核、真菌(病原微生物の1群です)が原因となる肺真菌症(肺アスペルギローマ、肺クリプトコッカス症、侵襲性肺アスペルギルス症、ニューモシスチス肺炎など)もあります。
肺以外の感染症である上気道炎や気管支炎、胸膜炎、さらにはインフルエンザも呼吸器感染症です。ただし上気道炎や気管支炎、インフルエンザ、細菌性肺炎、さらに感染症ではありませんが気管支喘息は呼吸器内科以外の内科医師や開業医も診療するケースが多い病気です。
これに対してウイルス性肺炎や肺結核、肺真菌症、重症の気管支喘息(重症の場合は喘息で死亡することもあります)、院内肺炎(病院に入院した後に生じた肺炎です)は呼吸器内科が担当する場合が多い病気です。
言い換えれば、これらの病気は診断や治療が難しい場合が少なくなく、より高度で専門的な知識が求められることが多いと言えます。肺炎や肺結核については他項で詳しく説明しています。
まとめ
呼吸器内科が担当する病気(前編)
呼吸器内科とは
感染症