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咳が止まらない場合は咳喘息かもしれません

sai

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seki tomaranai

長期間 咳 が 止まらない 状態を慢性咳嗽と言います。原因には肺癌、COPD、結核などのこわい病気がありますが、最も多いものは咳喘息で、慢性咳嗽の50%程度を占めています。咳喘息は典型的な喘息とは違って喘鳴や呼吸困難を伴うことはありません。

ガイドラインで咳喘息の診断基準や重症度、治療法が示されており、適切に治療すれば咳を止めることも可能である病気です。


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咳が止まらない場合は咳喘息かもしれません


- 目次 -

  • 長期間咳が止まらないときに考えなければならない病気
  • 咳喘息の症状
  • 咳喘息の診断基準
  • 咳喘息の治療開始前の重症度と治療
  • 最後に

長期間咳が止まらないときに考えなければならない病気

咳が止まらずに長期間にわたって持続する状態は慢性咳嗽(まんせいがいそう)と呼ばれ、胸部X線や身体所見の異常をともなわない8週間以上持続する咳と定義されています。

慢性咳嗽を生じる病気で特に危険な病気には肺癌、COPD(シー・オー・ピー・ディー。昔は肺気腫と呼ばれていた病気です。肺気腫についての詳細は他項をごらんください)、結核(肺結核)などがあります。

しかし慢性咳嗽の原因疾患で最も多いものはこれからご説明する咳喘息(せきぜんそく)で、実に慢性咳嗽の50%程度を占めるとされています。

咳喘息は肺癌などのように生命に関わる危ない病気ではありませんが、持続する咳のために夜間眠ることができないなど、大変つらい思いをする病気です。しかも症状が咳だけであるために、喘息による咳だと気づかれていないことだが少なくありません。


咳喘息の症状

咳喘息は喘息の1種ですが、一般的な喘息とは違って喘鳴(ぜいめい。空気が気管を通過する際にヒューヒュー、もしくはゼーゼーと音がする症状です)や呼吸困難を伴うことはありません。

唯一の症状である咳嗽は、寝ている時や深夜もしくは早朝に悪化しやすい特徴があります。したがって咳のために睡眠を妨げられることがしばしば生じます。ただし昼間だけに咳が出現する咳喘息の患者さんも存在します。

また咳症状は季節によって悪化したり、軽減したりすることがよくあります。痰はともなわないことが多いですが、少量の痰を認める場合もあります。

一般的な喘息と違って喘鳴はありません。カゼなどの上気道炎、冷気(例えば冬場に屋内から外に出たときなど)、運動、喫煙(受動喫煙を含む)、雨天、湿度の上昇、花粉や黄砂などによって咳症状は悪化します。小児では男児に多く、逆に成人では女性に多いとされています。


咳喘息の診断基準

わが国の「咳嗽に関するガイドライン第2版(メディカルレビュー社 2012年)」では次の①、②を満たすものとされています。

①喘鳴や呼吸困難をともなわない咳が8週間以上持続し聴診上もwheeze(いわゆる“喘息”のときに聴診で聴かれる所見です)を認めない、②気管支拡張薬(β刺激薬またはテオフィリン製剤)が有効。

②の気管支拡張薬は高齢の喫煙者(以前に喫煙しており現在は禁煙している人も含む)に多いCOPDの咳の場合であっても有効なので、高齢喫煙者の方は注意が必要です。

またガイドラインでは参考所見として次の3つを記載しています。1)末梢血・喀痰の好酸球増加、呼気中NO濃度高値を認めることがある、2)気道過敏性が亢進している、3)咳症状にはしばしば季節性や日差があり、夜間から早朝優位のことが多い。


咳喘息の治療開始前の重症度と治療

上記ガイドラインでは咳喘息を軽症(症状は毎日ではない、日常生活や睡眠への妨げは週1回未満、夜間症状は週1回未満)と中等症以上(症状が毎日ある、日常生活や睡眠が週1回以上妨げられる、夜間症状は週1回以上)に分類しています。

さらに軽症例での長期管理薬(咳発作が出ていないときもルーチンとして使用する薬剤)として中用量吸入ステロイド薬(使用できない場合はLTRA(ロイコトリエン受容体拮抗薬))、発作治療薬(上気道炎などのために咳が強いときや連夜の睡眠障害などの際に臨時で使う薬剤)としてSABA(短時間作用性β2刺激薬)頓用(効果不十分の場合は経口ステロイド薬を短期間併用)を推奨しています。

一方で中等症以上の症例に対しては、長期管理薬として中~高用量の吸入ステロイド薬と状態に応じたLABA(長時間作用性β2刺激薬)、LTRA、テオフィリン徐放製剤の併用、発作治療薬として吸入SABA頓用(効果不十分の場合は経口ステロイド薬を短期間併用)を奨めています。


最後に

上記のように咳喘息は診断基準や治療方針がかなり確立しているために、それまでなかなか止まらなかった咳をコントロールすることができることが多い病気です。一方で薬局などで市販されている“咳止め”では、ほとんどの場合で咳症状は軽減できません。

まずは、喘鳴をともなわない“咳だけの喘息”が存在することを知っておいてください。自分が咳喘息ではないかと思った方は、お近くの医療機関で相談されるとよいでしょう。

なお咳喘息の患者さんは、経過中に成人では30%程度、小児ではより高頻度で喘鳴が出現して、典型的な喘息に移行するとされています。

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まとめ

咳が止まらない場合は咳喘息かもしれません
長期間咳が止まらないときに考えなければならない病気
咳喘息の症状
咳喘息の診断基準
咳喘息の治療開始前の重症度と治療
最後に

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